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なつかしの道具とその周辺Iみずぐるま
みずぐるま

 唐箕(とうみ)、唐臼(からと)比較的大きな農具を紹介してきました。
 そして、今回紹介する「みずぐるま」も大きなものです。
 水の管理は重要な仕事の一つです。一般的には高い場所から低い場所に水を配るのですが、低い場所の水を高い田んぼにあげる時に使われたのが「みずぐるま」です。地域によっては「踏ふみぐるま車」とも呼びました。
 今回紹介するのは木津川市山城町上狛で使われていたもので、田植え前や干ばつの時に、田んぼに運んで使ったといいます。
 足踏み式の水車で、鞘さや箱の中で回転軸に放射状に取り付けられた板羽根を人が足踏みすることで水を汲み上げ、田んぼに水をあげました。
 羽根車の両側には身体を支えるための杭を打ち、それにつかまって踏むのですが、上手に操る人は片側だけで操作し、乗るのは男性で女性は乗りませんでした。体重が重い人ほど前に、軽い人ほど後ろに乗って、歩く速さより少し早い程度で回していたようです。
 人が羽根板を足で踏み下げることによって、鞘箱と呼ぶ4分の1円の中を羽根車が回転し、反対側で羽根板が水を押し上げ、水を田んぼに入るようにしたものです。羽根車の大きさは1・8m、幅24p、羽根は18枚。羽根車は「蜘蛛手(くもで)」とよばれる細い木材の骨組みに板を張っています。出口の樋といにあたる部分の長さは60pです。
 支柱には、「河内諸福大徳」の焼き印があって現在の大東市諸福で製造されたことが解ります。資料館にある井手町で使われていたものは「河内諸福」の大勝製、山城町椿井のものは「河内赤井(現在の大東市赤井)」の大徳製で、この地域には北河内で製造されたものが、昭和30年代前半まで使われていました。
 江戸時代後期に大蔵永常が各地で使われていた農具を紹介した「農具便利論」には江戸時代の寛文年間(1661〜72)に大阪の京屋七兵衛、清兵衛が発明したものとあり、その後100年たたないうちに全国各地に広まったとしています。

資料提供:京都府立山城郷土資料館


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