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▲地蔵院から俯瞰した井手の町

 
井手に関わる文学作品はあまりにも多いので、前回に続いて井手の文学散歩を試みます。今回は、散文を紹介したいと思います。

井手の下帯説話
 平安時代に成立した『大和物語』に、「井手の下帯説話」として広く知られた話があります。概略、次のような内容の説話です。
「昔、ある男が、帝の勅使として大和の大三輪神社に向かった。井手を通りかかった時、1人の女の子に目をつけて呼び寄せた。大変かわいい女の子だったので男が言うには、『決して他の男と結婚してはなりません。私と結婚しなさい。後に迎えに参りましょう。』そうして形見に互いの帯を取り替えた。女の子の年は、6・7歳。男は色好みなのでこんなことを言ったのだった。ところで男はこのことをすぐに忘れてしまった。しかし少女は忘れずにずっと覚えていた。
 7・8年たって男は再び勅使に命じられた。途中井手に宿ったところ、前の井戸で水を汲む女がいて言うことには、・・・」
 なんと話はここで終わっています。後半部分が散逸したのではなく、始めからここで切断して、後を読者に委(ゆだ)ねた形式だということです。歌物語の『大和物語』で歌がないのもこの段のみ。どうにも続きが読みたくなりますが、それ故にかこの段は「井手の下帯説話」として有名になりました。この話を題にした歌も多くありますが、例えば藤原定家の歌、
・道のべの 井手の下帯
 ひき結び  忘れはつらし
 初草の恋

井手の蛙の話
 井手は、玉川と山吹・蛙で知られた歌枕ですが、蛙に関する話も多く残されています。 『方丈記』で知られる鴨長明の歌論『無名抄(むみょうしょう)』に、井手の古老が蛙を語る件(くだり)があります。山吹の話を一わたりした後古老が言うには、
「世の人は蛙を皆かはづと思っていますが、かはづという蛙は井手にだけいるのです。色が黒くて、普通の蛙のように飛び跳ねたりはしません。常に水の中に棲(す)んで、夜が更けるまでそれが鳴いているのは、たいそう心が澄み、しみじみとした感じがするものです。春・夏の頃、必ず来てお聞き下さい。」
 古歌の世界では、「かはづ」はその鳴き声を愛でるものとなっています。そして井手の「かはづ」は、中でも優れた音色を持つものとして、格別に扱われています。江戸時代の随筆などを読むと、多くの蛙のいる所に井手の蛙を1匹放り込むと、他の蛙が恐縮して鳴かなくなる、という語り伝えがあったことが判ります。
 百人一首の注釈書『百人一首一夕語(ひとよかたり)』にも、面白い話があります。能因法師が藤原節信と会って意気投合しました。そこでお互いが宝物を見せ合うのですが、節信は錦の袋から蛙の干ぼしを取り出します。節信が「これは井手の蛙の干ぼしです」というと、能因法師は非常に珍しがって喜びを尽くしたというのです。事実とは思えない内容ですが、井手の「かはづ」が、文学の世界で、如何に珍重されていたかが伺われる逸話です。

▲カジカガエル(小さいのが雄)
写真提供:井手町役場企画財政課
井手の河鹿(かじか)
 名高い井手の「かはづ」は、カジカガエルのことです。カジカは美声で知られ「フヒ・フヒ・フィ・フィー」などと鳴くと言われます。かつて玉川にはカジカが多くいました。松田道雄『明治大正京都追憶』には、カジカが井手で捕れたこと、カジカの声くらべがあったことなどが記されています。
 現在カジカは玉川から姿を消していますが、カジカガエル保護友の会の方々を中心に、カジカを玉川に戻そうと、カジカの養殖が行われています。養殖場所は、井手町田村新田の有王分校のすぐ傍です。六月初旬私はそこを訪れました。カジカを見ることは出来ませんでしたが、時鳥(ほととぎす)が頻りに鳴いていたのが印象的でした。
 是非一度、美しいカジカの鳴き声を聞いてみたいと思っています。

前回と今回は『日本文学にあらわれた井手町』(井手町史編集委員会)を主に参考にさせて頂きました。



■著者プロフィール■
小西 亘(こにし わたる)
 
1958年、南山城村に生まれる。82年より京都府立高校に勤務。現在府立南陽高校国語科教諭。『注釈青谷絶賞』『「月瀬記勝」梅蹊遊記訳注』執筆。

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